セパレーターとは

INTRODUCTION

セパレーターとは

セパレーターは、型枠工事の際に必ず用いられる金物で、業界では「セパ」と呼ばれています。

コンクリートの壁を作る時、コンクリートを流し込むための型枠の設置(=型枠工事)が必要です。コンクリート壁の厚みは、設置した型枠の幅で決まります。セパレーターは、この幅を一定にするために使用されます。

また、セパレーターには、型枠の強度を保つ役割もあります。
型枠の中にコンクリートを流し込むと、「側圧」といって、外側に膨らむ数トンもの力がかかります。例えば、型枠を木箱などで作ろうとすると、側圧で形状を保持できません。

セパレーターの使われ方

セパレーターは円筒形の棒で、両端にネジ加工が施されています。長さは、コンクリートの厚みに応じて1mm単位で決まります。これを型枠の穴に通し、両端のネジ部分にPコーン(Pコン)と呼ばれる部品や座金を取り付けて固定します。

セパレーターは単体で使うだけでなく、ジョイントなどで組み合わせて使うこともあります。原則的には、型枠に穴を開けて差し込み、固定するというシンプルなものです。ただし、シンプルなだけに、型枠の穴の径・たわみ・圧の計算など、図面から計算していく事前準備が非常に重要になります。

セパレーターの強度について

セパレーターの形状は基本的に共通ですが、その太さにはいくつかの種類があり、「〇分」「〇分〇厘」などと表記されます。セパレーターが耐えられる引っ張りの許容強度はセパレーターの太さによって変わります。例えば2分5厘(W5/16)のセパレーターであれば、1,400〜2,000kgfが許容強度です。セパレーターが太くなればそれだけ強度も増します。

強度一覧表

太さ 呼称 引張許容強度(kgf) 引張許容強度(kN)
W5/16 2分5厘 1,400kgf 13.7kN
W3/8 3分 2,100kgf 20.6kN
W1/2 4分 2,800kgf 27.4kN

2分5厘(W5/16)は業界で多く使われる代表的な太さで、当社で扱うセパレーターもこれに当たります。他に代表的な太さでは3分、4分があります。
2分5厘以外のものをお考えの際もお気軽にご相談ください。

セパレーターの種類

セパレーターの種類は数多くありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。

B

B

呼び方:
ビイ、ピーコン、丸セパ
用 途:
打放し、化粧(土木工事)

H

H

呼び方:
エッチ、座金(ザガネ)
用 途:
基礎や地中梁などで地中に隠れる場所や、建築物の上部で仕上げがある場所

ハット

ハット

呼び方:
ピイ、ハット、カップ
用 途:
基礎や地中梁などで地面より上になる場所、ピット部

スタッド

スタッド

呼び方:
スタッド、切りっぱなし
用 途:
両端が溶接になる場合

チューブコン

スタッド

呼び方:
チューブコン
用 途:
化粧(土木工事)

上記は片側のみ掲載しておりますが、両端で用途が違う場合には組み合わせて使用する場合もあります。

セパレーターの特殊加工

セパレーターは形状の種類のほか、オプションで特殊加工を施すこともできます。代表的な加工を掲載します。

止水板

止水板

呼び方:
止水板、止水付き、止水ゴム付き、ゴムリング
用 途:
コンクリートが固まった後、セパレーターの穴に水が通らないようにする

曲げ

曲げ

呼び方:
曲げセパ
用 途:
勾配になる場合。型枠のコンパネに接する部分から50mmの位置で曲げる。
注意点:
セパは曲げると強度が大きく落ちます。また材料の性質上曲げを戻すと折れ易くなってしまうので注意が必要です。

軸長

軸長

呼び方:
軸長(ジクナガ)、首長(クビナガ)
用 途:
勾配になる場合。型枠のコンパネに接する部分から50mmの位置で曲げる。
注意点:
ヌスミ加工がある場合、開口部にセパレーターをとる場合など

セパレーター使用現場風景